「山田うどん」変わる

日記 ,

「山田うどん」の社長に会ったことがある。
今から10数年前にあるミュージシャンが、「山田うどん」とコラボTシャツを作り、ラップでテーマ曲を作りたいといったからである。
そんな荒唐無稽なお願いだったが、社長はすんなり許諾してくれた。。
そして埼玉および武蔵野の小麦文化と歴史をとうとうと語ってくれたのだった。
その時、恥ずかしながら、初めて「山田うどん」を食べた。
しかしメニュ―開いて、これはうどん屋ではなく、ファミレスではないかと感じた。
今まではてっきりうどん屋だと思っていたのである。
最初はうどん料理だけだったが、ニーズに合わせて、様々な料理を提供するようになったのだろう。
どうやら今、そのあたりを「山田うどん」側も自覚し、覚悟を決めたらしい。
これはうどん屋ではなく、もはや食堂ではないか。もう食堂で行こうと。
そこで「山田うどん」あらため、「ファミリー食堂 山田うどん食堂」と、ネーミング変更したのである。
これは間違いなく、コピーライターが入っていない。
「食堂」が二つ入っている。
「ファミリー食堂 山田うどん」。「山田うどんファミリー食堂」という選択肢もあったはずである。
しかし「ファミリー食堂 山田うどん食堂」にした。
「食堂」の念押しである。
「食堂」の畳み掛けである。
よほど「食堂」感を強調したかったのだろう。
そのあたりが可愛い。
“だうどん”や“山う”と呼ばれ、愛されて来た「山田うどん」らしい社風である。
そして店名変更に伴い、大きな決断があと二つされた。
トレードマークの案山子の“への字”の口が、口角を上げて、笑顔となった。「もう踏ん張らなくていいよ、笑っていこう」ということか。
さらに変わったのは、くるくる回っていた看板がまわらなくなったのである。

関東で170数店舗ある看板が回らなくなる。
これは実にエポックメイキングな出来事である。
まあ、関東以外の人には、何をこの人は言っているのだろうという話だけど。