〈軽井沢の外食〉そのニ
「おいしい店を教えてください」。
軽井沢で,一夏を過ごす方からよく聞かれる。
だが答えはいつもこう答える
「あまり行ってないのでわかりません」。
だから外食は日常であり,常に評価が伴い,何も考えずにおいしいなあとは言ってられない。
それゆえに、軽井沢に来て外食したいとは思わないのである。
東京で生まれ育った僕には,故郷がない。
だが幼児の頃から来ている軽井沢は、ふるさとである。
実家に里帰りしてまず食べたいのは,家庭料理だろう(そんな経験はないが,多分)
まず食べたいのは、故郷にいた頃通った,近所のおばさんの店だろう。
高価な料理を,わざわざ食べには行きたくない。
嫌味な言い方すれば、それは普段都会で散々食べているし、そのレベルから考えれば、軽井沢はやや落ちる。
たがら好きな店はカジュアルで,値段も高くなく、まあおいしいという店になる。
確かに「NAZ」も、「テツヤオオタ」も、フォリオリーナ・デッラ・ポッラ・フォルトゥーナ」も、「無彩庵池田」も『EBRICO」も他の地にはないレストランである。
しかし夏には行きたくない。
夏に行くお好みは、長い間、中軽井沢の「小楽」と「かぎもとや」、塩沢「無限」だった。
だったと書いたのは,「小楽」は店を閉め、「かぎもとや」は朝から行列で,「無限」は数ヶ月前に予約しなくては行けなくなったからである。
それゆえに、余計に外食をしなくなってしまった。