積み上げられた小鳩をどけると

食べ歩き ,

積み上げられた小鳩をどけると、サルミソースが顔を出した。
艶やかに輝く深紅のソースは、深い妖艶を湛えて、早く食べろと誘ってくる。
食べるよ。食べるさ。
ラカン産小鳩のために、タンニンがこなれた2001年ロランのフロンサックだって、待っているぜ。
まずは胸肉を一口。
鳩のジュースが歯の間からこぼれ、舌に広がり、喉に落ちる。
腿肉は、身側にだけソースをつけて、手で骨を持って齧ろう。
手羽先は、ソースをつけずに食べよう。
そして胸肉である。こいつはどうしてやろう。
そう。レバーを細かく切って肉と合わせ、スプーンでソースをかける。
骨のエキスと血のコーフンがたっぷり抽出されたソースと、レバーと肉を一緒に食べる。そこへすかさずフロンサックを流し込む。
どどう。どどう。血の香りと肉の血の味とワインの濃縮が、口の中で渦巻いている。
ははは。昼からこんなことしていいのか。
いいさ、今日は快晴、命の鳴動を感じるには、絶好の日和だもの.
なんて分けの分からぬ言い訳しながら過ごす、大阪筑前橋「トゥールモンド」の午後