Paris甘味報告3
もしかするとモンブランではなかったのかもしれない。
しかし「ラデュレ」のマダムは、「モンブラン」と言って出してくれたのであった。
ネットで「ラデュレ・モンブラン」と打つと、誰もがお馴染みの、メレンゲ、クレームシャンティ、マロンペーストという構図の画像が出てくる。
しかしマダムが差し出してくれたのは、それよりも“白い山”だった。
メレンゲ、クレームシャンティが飾られたクレームバニラ、マロンペースト、マロンコンフィという構築である。
そしてクレームバニラを突き破れば、たっぷりのマロンペーストが詰まっている。
上のマロンコンフィは栗の凛々しさが詰まっているが、中のマロンペーストはなんとも優しい。
それがクレームバニラと溶け合う瞬間の優美さには、恥ずかしくなってしまうような色気がある。
ああ、このまま私も溶けたいと思う、美しい退廃がある。
ちなみに。
お馴染み、アンジェリーナのモンブランも試してみた。
驚いたことに、プランタンのそれより甘さが弱く感じた。
それは7日間、パリでデセールを食べた最終日だったせいかもしれない。