Pari s甘味報告2

食べ歩き ,

Pari s甘味報告2
我々にとってゴーフルとは、真ん中にGAUFREと刻印された、大きな円盤状のものである。
パリッと軽く砕けて、中からクリームが顔を出す菓子である。
GAUFREが専用の凸凹型で作る菓子で、英語ではワッフルになるというのは、大森由希子さんの本で知っていたが、本家のゴーフルを食べて面食らった。
マレ地区にある「MEERT」は1761創業のゴーフル専門店である。
麗しい店内は、様々な焼き菓子も売っているが、店主がいる店の奥には、ガラスケースに入れられてゴーフルがうやうやしく売られている。
バニラ、ラムレーズン、シトロンの三種を買った。
まん丸ではない、楕円なのである。
いやなにより、生地がパリッとではない。しっとりしているのである。
だから勢い良く食べるのは似合わない。
おちょぼ口で、ゆっくりと食べる。
中は、風味付けをした甘いバタークリームが挟んである。
歯が生地を静かに突き破ると、クリームがニュルリと顔を出す。
バニラの香りに喜び、レモンの酸味に口をすぼめ、ラムの香りにうっとりとす。
凮月堂のゴーフルを食べるのは、子供の手が似合う。
でもこれは、マニキュアをつけた細い指が似合うのだ。