バンコクベスト5  2

食べ歩き ,

バンコクベスト5
2回目の「ムックマンガイ」。
ここ一年でムックさんは、後2店舗出したというから、すごい人気である。
鶏は、去勢鶏、皮が黄色い雌鶏、ベトンチキン(タイ南部の鶏で、成長が遅い黒羽種)といただき、どれもおいしいが、ベトンが、群を抜いていた。
まず皮がぷよぷよしておらず締まっている。
その下から見え隠れする肉が艶やかで、なんとも色っぽい。
噛めば肉質にダレがなく、引き締まって、噛むほどにうまみが滲み出る。
これをタレと合わせ、ご飯をかき込めば、スプーンが止まらない。
他の部位では、日本でいうところの白レバーが、いけない。
フォアグラに似た、甘い脂の香りがあって、ふわりと溶けていく。
また前回はなかった、血を凝固させたやつが危険である。
血の臭さは微塵もなく、きれいで、よくよく味わえば、ほのかにあまいか。
その他軟骨や優しい味わいの炊き込みご飯、冬瓜入り鶏スープもしみじみとした穏やかな味わいがあって、良かった。
世にはさまざまなカオマンガイがあるが、おそらくNo.1に違いない。
鳥の選別、茹で方、切り方など、店を休んで一年半試行錯誤を繰り返した結実である。それはムックさんの笑顔のように、慈愛に富んでいた。