「カルボナード」にやられた。
ベルギーはフランドル地方の郷土料理、牛肉のビール煮込み「カルボナード・フラマンド」である。
この店では、「牛ブリスケの黒ビール煮込み」と、説明があった。
やがて、輝く黒茶色のソースに抱かれた、肉の塊が運ばれる。
思わず唾を飲み込む。
肉はほろりと崩れ、ブリスケ特有の赤身と脂のバランスが取れた、味の深みを舌に乗せてくる。
そしてソース、いや煮汁と言おう。
黒ビール由来のほのかな苦味、酸味、コク、甘みが渾然となって、丸く、肉と一つとなる。
ああ、これは大至急ご飯だと、ご飯をかき込んだ。
最後は煮汁にご飯を入れて、カルボナードライスと洒落て、大笑い。
ベルギー人mp、まさか日本の古都で故郷の味が生きているとは思わんだろうな。
丁寧なサラダやハンバーグ、備中高原鶏のグリルもよかったぞ。
奈良「グリルTALO」にて