どら焼きが苦手である。
おいしいとは思うが、半分くらい食べ進むと、もう飽きてくる。
なので、浅いどら焼き史ではあるが、間違いなく最高峰であった。
ムラなくきれいに焼かれたどら焼きは、頬擦りしたくなるほど美しい。
一度食べれば、一気に恋に落ちる。
粒餡は、しっかりと甘いが、豆の香りと甘みが生きていて、それが心を豊かにする。
生地と粒餡の蜜月が、自然で美しい。
決して主張がある味ではない。
どこまでもさりげない。
さりげないのに心を虜にする。
いやさりげないの裏に隠された、様々な仕事が心を掴むのだろう。
東京の有名店で長らくパティシエをやられていたご主人が言われた。
「僕も東京にある数々の名店で、どら焼きを食べました。確かにおいしい。
おいしいが食べてみると、あれ? 実家のどら焼きの方がおいしいぞと思ったんです」。
そのどら焼きが目の前にある。
おそらく僕は、もうこのどら焼きしか食べることができないだろう。
福井「昆布屋孫兵衛」にて。どら焼きの自分史上、間違いなく最高峰である。
ムラなくきれいに焼かれたどら焼きは、頬擦りしたくなるほど美しい。
一度食べれば、一気に恋に落ちる。
粒餡は、しっかりと甘いが、豆の香りと甘みが生きていて、それが心を豊かにする。
生地と粒餡の蜜月が、自然で美しい。
決して主張がある味ではない。
どこまでもさりげない。
さりげないのに、心を虜にする。
さりげないのに、余韻が長い。
さりげないから、食べ終えてまたもう一個食べたくなる。
さりげないの裏に隠された、様々な仕事が心を掴むのだろう。
東京の有名店で長らくパティシエをやられていたご主人が言われた。
「僕も東京にある数々の名店で、どら焼きを食べました。確かにおいしい。
おいしいが食べてみると、あれ? 実家のどら焼きの方がおいしいぞと思ったんです」。
そのどら焼きが目の前にある。
おそらく僕は、もうこのどら焼きしか食べることができないだろう。