「大変失礼なのは承知ながら、日清ソース焼きそばの味がします」。
名古屋の中国料理店で、フカヒレの煮込みが出された。
脇には定番の赤酢が、味変用に置かれている。
同席した女子が、途中から赤酢をかけた瞬間に、こんな感想を漏らしたのである。
実は僕もそう思った。
その後も赤酢を残しておき、様々な料理にかけたが、やはり日清ソース焼きそばの気配がする。
「どこの赤酢ですか?」。食べ終わって聞いた。
「今は輸入が止まった赤酢なんですがね。そこに、シナモンと八角、花椒を漬け込みました」という。
合点。
発言された女子は食通だったが、こよなく日清ソース焼きそばを愛しているのだという。
その方の話を聞いているうちに、久しぶりに食べたくなり、その方の作り方を真似て作った。
題して「半固ソース焼きそば」である。
1.豚こまに下味つけて炒めて置く。
2.フライパンに指示量の3/2つまりこのパックなら200cc強の水を入れて沸騰させ、もやしをさっと茹で、取り出す。
3.麺を入れてほぐし、湯を捨てる。
4.粉ソースをまぶし、もやしと肉を混ぜる。
5皿に盛り、すし酢に漬けた生姜と赤かぶ漬け(
たまたまあった)の細切り、万能ネギをちらす。
6.食べる。一部がカリカリとして、あの日清ソース焼きそばの、焼きそばとは名乗れない軟弱な不甲斐なさから脱却できる味である。インスタントでもやはり焼きそばは、麺を焼かなくてはおいしくない。
7.今度は、油を変えたり、スパイスを試して色々試してみよう。