元旦は、W会長宅で新年会。Pホテルや青山Rや広尾Aの豪華なお節を、楽しませていただいた。
私も料理人として軽い参戦。作ったものは、
1,スペイン風白いんげん豆の煮込みのサラダ。
一晩水につけた白いんげんを茹でて灰汁を抜き、セロリ、に
んじんたまねぎと共に茹で、玉ねぎ微塵をオリーブオイルで
スゥェし、煮汁とスープを半々にしたものを注いで、豆を戻
して、軽く煮た豆を、玉ねぎ微塵と共にヴイネグレットソー
ス(オリーブオイル、おろしにんにく、粒マスタード、米
酢、レモン果汁、白ワインビネガー、おろした玉ねぎとセロ
リ)であえたもの。ふぅっー。
2,おからと茄子の炊いたん 一センチ角に切った賀茂茄子をくたくたになるまで炒め、
だしを煮含ませ、みりん、醤油、少量の砂糖で調味し、から
からに空煎りしたおからを混ぜたもの。
3,カポナータ
フルーツトマトとモッツアレラを細かく切り、ちぎったバジ
ルを散らし、オリーブオイル、オレンジ果汁、塩を混ぜた
もの。
4,焼コロッケ霞町一風
インカの目覚めを茹でてつぶし、炒め玉ねぎとひき肉を混
ぜ、塩コショウ、卵黄、ダシ、みりんを混ぜて作ったタネを
グラタン皿に敷き、パン粉を散らしてオーブンで焼いたもの
ご馳走に対してお惣菜風で攻めてみました。喜んでいただけたようで、嬉しい限りであります。
さて宴の途中、K飯店のマダムの計らいで、京胡奏者ウー・
ルーチン氏が登場。日が変わったところで演奏が始まった。
感情がほとばしった。
華奢な体に張られたたった二弦から、想いが詰まった豊かな音色が流れ出る。
空より高い喜びが
夜より遠い哀しみが
麗しく、激しく、たおやかに、猛々しく
波打っている。
人間として生きていく喜びと孤独が渦巻いて、聞き手の心に
共鳴する。
どうしてこんな感情が込められるのだろう。
無情をも感じさせるのだろう。
心が揺さぶられ、すうっと浄化していく。
涙がにじみ出た。
ふと横を見ると、Y氏もメガネを取って目頭を触っていた。
音域が狭く、最も人間の声に似ているといわれる楽器「京胡」。
ウー・ルーチンはその楽器に命を吹き込んだ。