「ホットラッツ」

食べ歩き ,

針が落ちた。
一曲目が始まった。
瞬間で体中の血が沸きたった。
もう座ってはいられず、歓喜の雄叫びをあげながら、部屋中を跳ね回った。
「ホットラッツ」を初めて聞いた時の衝撃は、今でも鮮明に覚えている。
フランク・ザッパは、僕が一番好きなアーティストである。
唯一の来日時は、浅草公会堂と日本青年館に見に行った。
本作は、ソロ第二弾である。
前衛かつ実験的音楽要素が多い彼は、奇才とか変態とか呼ばれていたが、実際は、そんな取っ付きにくくはない。
変拍子が多用した一曲には、ジャズやポップス、R&B、ビーバップなどの要素が巧みに織り込まれていて、要所要所で爆発する。
その意外性が、血を焚きつけて、高揚させる。
一曲目の「Peaches en Regalia」は、ザッパにしては普通の4/4拍子で、お得意の奇数連符もほとんど出てこない。
しかしイアンアンダーウッドの多彩が
概念をぶち壊し、未知の創造へと向う興奮に、高校生だった僕は、ズブスブとはまっていった。
後に代表曲となるこの曲は、60歳を超えた今でも聴き返して、疑念を壊す必要性を、心に刻み込んでいる。

Frank Zappa (guitar, octave bass, percussion)
Ian Underwood (piano, organus maximus, clarinet, saxophone)
Ron Selico (drums)
Shuggy Otis (bass)
シュギーのグルーブな演奏も効いてるね、
ちなみにこのアルバム本国ではちっとも売れなかったが、イギリスではヒットした。メロデイメーカーの人気投票では1969年のアルバム・オブ・ザ・イヤーを獲得
1969年といえば、「ビートルズ/アビイ・ロード」「レッド・ツェッペリン/1と2」「キング・クリムゾン/クリムゾン・キングの宮殿」「ストーンズ/レットイットブリード」「サンタナ」」「フリー1st」「デビットボウイ・スペースオデッセイ」「ザ・バンド」「グレイトフルデッド/ライブデッド」などなど名盤が発売された年であり、その中でベストを獲得したのは、驚異的である