向かうは三角地の平壌屋(ピョンヤンオック)。
ヤンゴプッチャン(牛小腸焼き)専門店。
しかし昼は胃袋専門、客は皆、ネジャンタン(内臓スープ)を食べている。
注文すれば、オンマが内蔵を網じゃくしですくい、スープで温めて、葱とタテギをのせて完成だ。
白濁したスープは優しい味で、丸いうまみと微かな塩味。
一口飲めば「ほぅ~」とため息ついて、優しい笑顔が生まれくる。
中身はなんだ? 胃袋だ。
ガツとセンマイ中心で、たまにフワも入っている。
粗塩をはらりと振れば、あら不思議。
スープがとたんに甘くなる。
一心不乱で食べていると、「おいしいですか?」とお姉さん。
すりつぶしたエゴマ実を入れても香りよし。タテギを徐々に溶かし入れ、最後はすっかり赤い海。
ああ、スプーン持つ手が止まらない。