朝630、普通の民家に次々と人が入っていく。
知らなければ、ここがうどん屋だとは、誰も気づくまい。
ガラリと扉を開ける。
「いらっしゃい」。おばちゃんの快活な声が響く。
「一人?」
メニューはない。
おばちゃんは、羽釜の蓋を開けて、うどんを投入する。
丼に湯を入れて、温める。
茹で上がったうどんを、丼に入れ、つゆを張る。
ネギをどっさり入れ、じゃこ天、カマボコ、エビのかき揚げ入れて完成だ。
「おはよう」。
昆布といりこのまあるい甘みが、舌に挨拶をする。
うどんは、大阪のうどんより少しやわい感じで、目覚めの胃袋と歯に優しい。
途中で、揚げ玉を追加すれば、つゆをちゅっと吸って、これまたうまいけん。
宇和島「やまこうどん」にて。