古いリモージュの皿を取り出して

日記 ,

朝から空が濡れている。
こんな朝だから、古いリモージュの皿を取り出して、サンドイッチを作る。
ニシジマのハムに、パリの本店で充填してもらったマイユのマスタードとカンタンのバター、それにトマトとキャベツを挟んでね。
骨董市で4枚10€で買ったリモージュは、白が白ではない。
淡黄色のくすんだ地が心を温める。
サンドイッチもどこか誇らしげで、毅然と佇んでいる。
こんな小さな非日常が好きだ。
サンドイッチを食べ終わると、5分半茹でた卵を有田焼のお猪口にのせて、輪島の塩ととっておきのオリーブ油を少しだけかけて、皿の上に置いた。
うむ。ゆで卵もいつもより毅然としている。
僕はいつもより時間をかけて味わいながら、一個のゆで卵を食べる幸せを楽しんだ。