郷土料理が50種近く並んでいる

食べ歩き ,

フォアグラのムース。砂肝コンフィのサラダ。オマールのテリーヌ。レンズ豆とブーダンブランのサラダ。エスカルゴブルゴーニュ風。野菜のエチュベ。鴨もも肉のコンフィ。マグレ鴨ロティ。豚足のカスレ。和牛テールのポトフ。子羊スネ肉の煮込みと子羊のソーセージのクスクス。ブイヤベース。和牛ほほ肉の白ワイン煮込み。ラタトイユ。グラタンドフィノワ。アンドゥイエット。シャルキュトリーの数々。オニオングラタン・・・・。
堂々たるフランス郷土料理が50種近く並んでいる。
「落ち着いて」。

あれもこれも頼みたいと、はやる僕の心に、誰かが囁いた。
東京でもこんなに多くの料理を用意しているビストロはないだろう。
頼めば、ドカンドカンと正しいボリュームの皿が運ばれる。
「お客さんのリクエストを聞いていたら、こんなに増えちゃいまして」。
誠実そうな平田充シェフはそう言って、困ったような嬉しいような笑顔を浮かべた。

博多「ビストロミツ」にて。