麺自らが意思を持つ

食べ歩き ,

自分が食べているのではない。

隣の人が麺を手繰り、すすっているだけで小麦の甘い香りが漂ってくる、とんでもなきラーメンである。
4年前かずおは、高知産の小麦でうどんを作りたいと、高知大学農学部の教授と直談判をした。
それが実り、今度はラーメンだと考え、完成したラーメンである。
もうそれだけでなにもつけなくとも、充分においしい。

つけ汁は猪の出汁で作ったというが、まだ完成途中。
猪を持っても、麺の強さに負けてしまうのである。
この前ご飯も食べたのに、なぜか箸が止らない。

麺自らが意思を持って、ずるずるっとが勝手に口元に登って入きてしまう。
恐るべし、かずお。