漁師泣かせのもずく

食べ歩き ,

漁師泣かせのもずくだという。
もずく一本一本が、極めて細い。
おそらく、何ミクロンの世界かもしれない。
それなのに一本一本に歯ごたえがある。
唇を存在感なく滑らかに通過しながら、歯と歯の間で、微かな微かな音が響く。
一日に野球ボール一個分しか取れないという、漁師泣かせの貴重なもずくである。