名古屋「オーロックス」

工兵のエプロン。

伊藤くん、これはなんでしょう?

カツ?

ハムカツ?

いえ違います。ダブりエドサプール、工兵の前掛けですね。

手前が十勝若牛,後ろがジビーフです。

しかし食感が全く違う。

若牛は、歯切れが良い。

これから酷使する胃袋を鍛えている途中の躍動がある。

サクッとザクッと噛み切れて、楽しいのだな。

ジビーフは,手強い。

軽く噛みきれるのだが、歯を押し返してくる。

まだあなたに体は許さないわよという,強かさがある。

硬い草を食べて、よく動かしている証だろう。

一筋縄で行かない歯応えを、噛んで噛んで噛んでゆくと、最後にふっと草の香りが漂った。

これこそが私のうまさをなのよと、いっているかのように。

名古屋オーロックスにて