堂々たるグランメゾンである。

日記 ,

堂々たるグランメゾンである。
一年かけて改装されたという四階建ての館は、貴族文化の絢爛さを受け継ぎつつ、一流の調度品だけで設えられた、華美になりすぎない気品を漂わせている。
「ボンジュール」「メルシー」。
どのレストランでも発せられる言葉も、ここでは違って響く。
美男、美女揃いで、誰もがスマートなサービス人が発する言葉は、町のレストランで聞かれるような、威勢はない。
口元でさりげなく発するのだが、決して慇懃でも辞令的でもなく、気持ちを伴って、明確にこちらに伝わってくる。
だから、心が温められる。
一昨年の年末に開店したため、今回のミシュランでは初登場となった。
そしていきなり2つ星を獲得した。
帆立の料理は紹介したが、それ以外のセクシーな皿の話はまた今度。
【クラランス】にて。