吉田朋美さんの作るシェーブルは

食べ歩き ,

吉田朋美さんの作るシェーブルは、澄んでいる
特有の山羊臭は、遥か彼方にいて、霞んでいる。
清涼な空気と水を与えられ、愛を注いで育てられた山羊の乳だかろうか?
柔らかく甘く、雑味がなく、すうつと体の細胞に溶けていく自然がある。
リコッタやヨーグルトは、さらりと舌を通り過ぎて、後から養分をにじませる。
桜の香りをまとわせたカブリーノサクラは、しっとりと舌に吸いつき、乳脂肪の豊かさを感じさせた後に、桜の香りが鼻に抜けていく。
そんなさらりとしたチーズの顔もあれば、6ヶ月熟成させたカプラは、パルミジャーノのような練れたうまみがある。
今後は、一年二年熟成させたものも作っていくという。
よく笑いながら、自分たちのチーズの将来を語る彼女の目には、この山の自然を守りながら、山羊の命を預かるものとしての、覚悟と責任が燃えていた。

富山 Y&coにて。