〈いけないことは蜜の味〉

食べ歩き ,

〈いけないことは蜜の味〉
二晩続けて、いけないことをした。
犯行時間は、一晩目が深夜一時すぎ、二晩目が24時である。
まず一晩目、金沢のバーを出た一行は、ラーメンを食うという行為に出た。
この犯行を教唆したのは、誰だかわからない。
ただ言えるのは、共犯者が7人もいて、しかも全員酔っ払いだったため、罪の意識がないままに、行動に及んでしまったことである。
また一部の人間は、翌日になって犯行を思い出した。時すでに遅しなのだ。
次の日は、魚津で最も古いという、すなっくに出かけた。
そこで男5人で飲んでいたのだが、12時を回った頃に、「ここナポリタン美味しんですよ」と、1人が不用意な発言をし、「いいねえ」と、思わず反射的に答えてしまった。
速攻で発注である。
運ばれてきたナポリタンを、食べ方指南しながら食べていると、一同の心はさらに燃え上がり、「バジルも行ってみますか」となった。
頼むと、「ペペロンチーノも今日は出来ますよ」と店の人が余計なことを言うので、「じゃあそれも、後ポークウィンナーも」と、もう歯止めが効かない。
こうして深夜ラーメン、深夜スパゲッティという犯行を重ねてしまった。
判決は、今から乗る体重計に、言い渡される。